Pulsed field gel electrophoresis による southern blotting 法を用いた DMBA 誘発ラット白血病細胞株(K3D) abl 遺伝子の解析
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概要
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化学発癌剤7,12-dimethylbenz [a] anthracene(DMBA)により誘発したLong-Evans(LE)系ラット白血病細胞株K3Dは染色体転座によるマーカー染色体+translocation(3;12)を持ち,同時に癌遺伝子ablの発現亢進を示す。これまでに染色体in situ hybridization法を用いた解析で, K3D abl遺伝子がマーカー染色体転座点に位置している乙とが明らかにされ,染色体転座に伴いK3Dのabl遺伝子が活性化された可能性が示されてきたが,その詳細な機構は不明であった。今回はK3D abl遺伝子の染色体転座に伴う遺伝子レベルでの構造変化を知る目的で, pulsed field gel electrophoresis (PFGE)を用いたSouthern plotting法(PFGE-Southern blotting)により,#3染色体転座を伴わない同系の白血病細胞株およびLE系ラット骨髄細胞を対照として,同遺伝子の解析を行った。その結果,通常のSouthern blotting法では認やられなかったK3Dに特異的なバンドを検出した。今回の検討ではこの異常バンドが遺伝子組み換えを示しているか否かは明かでなかったが,染色体転座点に位置するabl遺伝子が染色体転座に伴い受けた特異的事伝子変化を表現したものである可能性が示唆された。又,PFGE-Southern blotting法では,従来と同一のプローブでより広範な領域の遺伝子解析が可能であり,染色体変化と遺伝子異常の関連を解析するために有用な手法であることが示された。
- 神戸大学の論文
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