2. ニューラルネットワークを用いた間質性肺疾患の鑑別診断(ニューラルネットワークの画像情報処理への応用)
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概要
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医療診断において, 疾患の識別基準をルール化することは困難であるが具体的な症例を収集または生成することが可能な対象は多く, ニューラルネットワークの適用が有望な分野と考えられる.我々はニューラルネットワークを間質性肺疾患の鑑別診断に適用し, 高い疾患識別能力と診断支援への利用可能性を確認した.ニューラルネットワークの最大特徴は, 学習によってパターンの識別基準を獲得できることである.しかしこのことは逆に, ニューラルネットワークの識別能力が学習データに依存することを示している.すなわち, 与える学習データそのものが知識であり, 鑑別診断のためには各疾患について起こり得る変動を含む均一なデータベースを構築する必要がある.我々は, 胸部放射線科医が作成した仮想的な症例データを用いることによって, 比較的少数の症例で各疾患の特徴と変動を表すデータベースを作成した.実際の症例を収集して作成したデータベースでは, 必ずしもデータの質や量が均一ではないため, 症例数の少ない疾患の学習頻度を多くするなどの工夫が必要となる.このようなニューラルネットワーク特有の性質を理解した上で, 適切な問題を設定することによって, 強力な学習能力を診断支援に利用できる可能性がある.本研究は, 筆者が1989年7月から1年間滞在したシカゴ大学カートロスマン研究所において行ったものである.土井邦雄教授をはじめ協力いただいた多くの方々に謝意を表す.
- 社団法人日本放射線技術学会の論文
- 1994-01-01
著者
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