溶接金属部の特性予測手法の開発(<特集I>溶接技術の高度化による高効率・高信頼性溶接技術の開発)

概要

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現在の社会において構造物の建設には溶接は欠かせない工程となっている.溶接技術に関する研究は盛んに行われているが,溶接現象は金属の溶融,凝固,晶出物の形成,複雑な熱履歴による金属組織の変化など様々な現象が複雑に絡み合い解明されていない問題が多々存在する.そのため,溶接施工の条件決定は解析的に決定することができず,熟練技術者の知識と経験に頼る部分が多い.しかし,近年,作業効率の向上を目的に大入熱・高パス間温度に代表される低コスト溶接法が採用され始めている.このように,従来とは異なる溶接条件が求められてくると従来のような技術者の知識と経験に頼る方法には限界があり,様々な溶接条件における溶接部の特性を予測できるシステムが求められている.しかし,実際に利用できるような溶接部特性予測方法は未だ確立されていないのが現状である.そのような背景の元で「溶接技術の高度化による高効率・高信頼性溶接技術の開発」のナショナルプロジェクトでは,溶接部,特に溶接金属部の特性予測システムの開発が取り組まれてきてきた.このシステムは溶接材料と溶接条件から溶接金属部の組織を予測し,予測した組織から機械的性質を予測することを目指している.本稿では,本プロジェクトにおいて490MPa級鋼溶接金属の特性を予測するために開発されてきた手法について,組織予測シミュレーションモデルと機械的性質の予測モデルを中心にまとめたものである.
社団法人溶接学会の論文
2003-09-05

溶接金属部の特性予測手法の開発(<特集I>溶接技術の高度化による高効率・高信頼性溶接技術の開発)

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