亜熱帯および熱帯太平洋表層水中における溶存態有機炭素の蓄積と移出
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概要
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1995年10〜12月の熱帯および亜熱帯太平洋表層水(200m以浅)の溶存態有機炭素(DOC)濃度を高温燃焼法で測定した。DOC濃度は海水密度と有意に逆相関し,海水混合がDOCの鉛直分布に影響していることが示唆された。混合層内のDOC濃度は,全観測点において55〜98μmol Cl^<-1>の範囲内であったが,その濃度は熱帯域よりも亜熱帯域で高く,亜熱帯域においてクロロフィルa濃度と有意に正相関した。熱帯域表層(10°N〜10°S,160°W,50m以浅)からのDOCの正味の移出速度を箱モデルを用いて計算した。赤道潜流を含む海水循環を考慮すると,移出は南北方向への移流によって生じ,その速度は0.5〜3mmol C m^<-2> day^<-1>と算定された。この値は,赤道潜流(150m以深)への粒子態有機炭素(POC)の移出速度の報告値よりも低く,熱帯域表層水中の炭素収支においてDOC移出の寄与はPOCのそれよりも小さいと推定される。
- 2002-03-05
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