風速の急激な変動に対する風波の応答過程
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概要
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風速の急変に対して短波長の風波はどの程度速く,またどのように応答するかを検証するため,小風洞水槽において風速を4.6m s^<-1>と7.1m s^<-1>の間で急変させる実験を行った。水面変位および空気乱流をフェッチ5.5mまで測定した。測定の統計的精度を向上させるため,風速増加と減少のサイクルを20回繰り返し,集合平均を取った。これにより,風速の擾乱に対する実験室における若い風波の応答過程の詳細を調べることができた。その結果,応答過程には局所平衡調節とフェッチ調節の二つの時間スケールがあることが分かった。定常状態は風速に依存する不変の無次元波高(線形重力波仮定においては波形勾配に相当)により特徴づけられる。この平衡状態は,フェッチ調節の長い応答過程にある非定常状態においても,この水槽ではすべてのフェッチにおいて成立することが分かった。ただしそれは,風速の急変後,局所平衡調節の短い緩和期間を経た後のことである。新たな定常状態への完全な移行は5.5mの最大フェッチにおいて,より長い時間がかかる。この間,エネルギーは全フェッチにおいて,風により成長しながら群速度で伝播する。同時に周波数のダウンシフトが見られる。この研究で観察した風波スケールは限られているが,この二つの時間スケールが,局所平衡調節とフェッチ調節によるという考察は,海洋での風波にも適用すると考えてよいと思われる
- 日本海洋学会の論文
- 2002-03-05
著者
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