北太平洋亜寒帯域とその縁海域における窒素の起源と変遷を知る手がかりとしての懸濁態・硝酸態窒素のδ ^<15>N
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概要
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アラスカ湾旋流,西部亜寒帯旋流を含む北太平洋亜寒帯域,東シナ海の5点にて海水中の粒状有機物と硝酸の窒素同位体比を分析し,北太平洋と縁海の窒素循環の違いを特徴づけようとした。表層のδ ^<15>Nは植物による硝酸の消費と同位体分別だけでは十分説明できなかった。どの点でも粒状有機物のδ ^<15>Nとδ ^<13>Cは水深に伴って大きく変化し,同位体組成とC/N元素比の間に相関が見られた。硝酸態窒素のδ ^<15>NとN^*が主として窒素固定と脱窒で制御されていると仮定し,それによる窒素循環の違いを読みとるための窒素バランスモデルを考案した。このモデルにより,北太平洋深層水の初源的硝酸のδ ^<15>Nは4.8%であり,すべての観測点での中層水のδ ^<15>Nは約6‰で,N^*は-3μmol kg^<-1>と推定した。東シナ海の深層水はこの北太平洋中層水と共通しているが,400m以浅の窒素は河川から流出した窒素の影響を受けていることが明らかになった
- 日本海洋学会の論文
- 2002-03-05
日本海洋学会 | 論文
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