海洋動物プランクトンの実験生態学的研究
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概要
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30年間にわたり,私が行ってきた飼育実験を主体とした研究とその背景を紹介する。様々な海域の表層(水温:-1.4〜30℃)に生息する多様な動物プランクトン(乾燥重量:10^<-3>〜10^3mg)の代謝活性(酸素消費速度,窒素・燐排泄速度)を現場水温で測定し,その資料を解析したところ,代謝活性は動物プランクトンの分類群や種に殆ど関係なく,体重と生息水温の関数で示された(代謝活性-体重-生息水温関係の定式化)。深海に生息する動物プランクトンの代謝活性についても論議した。南極生態系における南極おきあみ(Euphausia superba)の重要性と本種の飢餓耐性,脱皮,発育,多回産卵,代謝活性など私の飼育実験で得られた新しい知見について述べた。主要動物プランクトンの生活史と物質収支について,日本海富山湾での研究と,近年開始した親潮域での成果の概略を述べた。
- 日本海洋学会の論文
- 2002-03-05
著者
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