結晶制御による金属配線高信頼化技術
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概要
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最近のCPU、MPUに代表されるロジックデバイスの高速化・高集積化の速度は著しく、一昔前のミニコンピュータ並の性能がデスクトップ型の計算機で実現されている。この性能向上は、ロジックデバイスのシュリンクによる高速化、CISCからRISCへのよりCPUの性能(動作周波数など)に依存する命令言語体系の採用などに依存するところが大きいが、この裏には配線の信号遅延に代表される多層配線の高速化が果たす役割は大きい。すなわち、デバイスのシュリンクに対応した多層配線のサイズの縮小に伴う高密度の配線間の容量、配線抵抗をスケーリングしていかないと、デバイス全体としての高速化が図れなくなってきている。金属配線においては、低抵抗化と許容電流密度の増大が最大の課題であり、このことが最近のCu配線技術開発の駆動力となっている。一方で、現在ほとんどのLSIで用いられているAl配線の高信頼化はCu配線への移行をスムースに行っていくための必須の技術であると同時に、信頼性を支配する原子移動(拡散あるいはマイグレーション)の観点からみれば、Alと同じ面心立方格子を有するCuにも同様に適用できると考えられ、Al配線の高信頼化技術は、そのままCu配線の高信頼化技術であるといっても過言ではない。本稿では、特にエレクトロマイグレーションによる原子移動における結晶粒界拡散の挙動に注目して進めた結晶制御によるAl配線の高信頼化技術に関して述べる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-09-05
著者
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金子 尚史
(株)東芝セミコンダクター社
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蓮沼 正彦
(株)東芝セミコンダクター社
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豊田 啓
(株)東芝研究開発センターULSI研究所
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豊田 啓
(株)東芝セミコンダクター社
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金子 尚史
(株)東芝 Ul研
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