離散分光画像を用いた照明光不変な色物体検出の一手法
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概要
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目標とする色物体を,照明光の分光強度分布の変化に影響されることなくシーン中に認識する試みについて述べる. あらかじめ記憶した目標物の位置をシーン中に認識するとき, 色彩は有力な手がかりとなる. しかし, 色彩の計測には照明光の分光強度分布の影響による変化を考慮する必要がある場合に, 通常のカラーカメラのような, 波長λに対するチャンネルあたりの分光感度特性S(λ)がbroadな撮像装置を用いる限り, 照明光の分光強度分布I(λ)と色彩の分光反射率R(λ)の積分値である撮像系の計測値からI(λ), R(λ)は復元できず, 照明変化前後での色彩の同定は一般に不可能である. 画素値が入射光の分光強度分布に対する複数点の波長におけるサンプリング値である画像(ここでは離散分光画像と呼ぶ)においては, あらゆる色彩の画素値はサンプリング波長における照明光の分光強度分布I(λ)のみに依存する単純な係数変換を受ける. すなわち係数が求められれば, 入力画像に単純な変換を施すことで複数の色彩をもつ目標物でも容易に認識することができる. 干渉フィルタを利用した狭帯域分光感度特性をもつ5チャンネルの画像を実際に撮像し, 上述の係数を推定する実験を行った. 以下, 原理と結果を述べる.
- 1997-08-13