有機超薄膜の微小電流評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
電気磁気学の教えによると、有機分子膜を流れる電流は変位電流と伝導電流の和からなる。変位電流は電束の時間的な変化によってもたらされる過渡電流である。電束の変化は膜内に存する荷電粒子の微視的な変位(双極子の回転、電子の変位)と結びついているので、変位電流を調べることにより膜内の荷電粒子の動きを評価することができる。一方、伝導電流は荷電粒子(電子、正孔、イオンなど)が電界によって動くことで流れる定常的な電流である。伝導電流は、荷電粒子の密度と移動速度の積に比例するので、荷電粒子の種類と移動度を分子膜の構造との関連性で結びつけて把握することにより膜内の伝導を評価することができる。このように、伝導電流と変位電流とはかなり性格が異なっており、両者を識別することがまず重要となる。ここでは、講演時間の関係から変位電流に焦点を絞り、分子膜評価の立場から微小電流評価について述べる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-09-26
著者
関連論文
- 金属/ポリイミドLB超薄膜界面の界面帯電現象と電気特性
- デジタル方式TDD狭帯域無線機
- 有機超薄膜の微小電流評価
- フタロシアニンLB膜の表面電位およびその界面電子性準位
- 29aーYEー2 J会合体単分子膜の変位電流と解析
- TC-1-1 I.総論
- 2 有機エレクトロニクスの誘電物性に関する先駆的研究
- 2 有機エレクトロニクスの誘電物性に関する先駆的研究