CODECに依存しなしい低ビットレート音声用多重処理CLADの検討
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概要
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マルチメディア通信の基盤的ネットワーク技術と位置付けられるATMは、転送速度の種類等の転送データの性質に関わらず、画像、文章、音声等あらゆる情報を同一の物理回線で処理できることをその特徴の一つとしている。従って、現在、データ通信が主目的のATMネットワークは、必然的にデータ+リアルタイム音声通信用ネットワークヘと変貌すると考えられる。このような背景により、ATM上の音声通信(VTOA)技術の開発が急務となっている。特に専用線等においては、限られたネットワーク容量を効率的に活用し、回線当たりのコストを削減するため、音声情報の低ビットレート圧縮及び無音圧縮が必須となる。64kb/sよりも低速のビットレートの音声情報のセル化に際しては、1セル分蓄積するための遅延(セル化遅延)がビットレートの低下と共に増大するため、1セル中にユーザ情報長の短い複数チャネルの音声情報パケットを格納することによりセル転送効率を低下させずセル化遅延を軽減する手法を検討する必要があり、AAL-CUという名称の新しいセル化方式の標準化の検討がITU-T,ATM-Forumにおいて進められている。音声圧縮用CODECには多くの種類が存在しそのフレームレート、1フレームの圧縮音声ビット数等の仕様が異なるので、多重処理セル化デセル化(CLAD)装置は基本的にCODECに依存した仕様とならざるを得ない。しかし、これでは最新のCODECを採用するためにCLAD装置も変更せざるを得ないし、通信相手の使用しているCODECとの相性を十分考慮して通信システムの設計が必要であり、装置コストの増大につながる。そのため、本報告では、低ビットレート音声用のCLAD機能をCODECとセットで構成するとき、各CODECの仕様の特徴を利用してCODECの種類の変更に依存しない多重処理CLADの構成法に関して検討する。また、今後、LSIの集積度の向上により複数の音声圧縮アルゴリズムを埋め込んだDSPチップが利用可能になり、通話相手のCODECに合わせて呼設定毎に、使用するCODECの種類の変更が可能となるであろう。従って、特に、各回線の呼設定毎に使用するCODECの種類を変更することが可能な構成について検討する。
- 1996-09-18
著者
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長田 和彦
日本電信電話株式会社NTTネットワークサービスシステム研究所
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長田 和彦
Ntt情報流通プラットフォーム研究所
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長田 和彦
Nttネットワークサービスシステム研究所
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北村 美宏
NTTネットワークサービスシステム研究所
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北村 美宏
NTT通信エネルギー研究所
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