位相雑音解析の一手法についての検討
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概要
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通信回線の高速化、低価格化の要求は年々強まっている。現在ATM Forumでは、622MHzの回線速度まで標準化されており、実用化も始まっている。回線速度の高速化は、通信を高品質に保ために、回線に出力されるジッタ値を小さくすることを要求し、低価格化は、装置の単電源化を促進している。ディジタル交換機は、網同期構成をとり、また各種回線レートを有するため、必要なクロックを装置内部で数段構成したPLOで生成している。これらのPLOは、ジッタが増幅されないように、PLOが数珠つなぎ構成されたモデル(ジッタ累積モデル)を用いて設計している。この設計法では、装置内の個々のPLOのジッタ特性の良否を設計レベルで判定することが難しいため、装置全体の完成を待ち回線ジッタ特性のみの良否判定を行うことが多い。そのため、良好なジッタ特性を示した場合でも、その装置自身は問題ないが、別の装直へ全く同じ構成を適用しても良好な特性を示すかの予測が難しい。今回、各PLOの入出力クロックの位相揺らぎをウェーブレット変換により、周期的変動成分と非周期的変動成分とに分離し、周期的変動成分に基づきジッタ累積モデルで設計した各PLOのゲイン最適化を行い、回線ジッタ値を大幅に低減することができた。また、非周期変動成分についても各PLO出力の分散値比較を行ったので以下に報告する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-09-18