割れ目の自己相似的分布を利用した岩盤強度評価 : ラダニイ強度式の原位置岩盤への応用
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概要
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本文は,割れ目のある岩盤の強度を複雑系の観点から述べたものである.岩盤の中には各種の割れ目が存在するが,本文では,その多くが自己相似的に分布し,フラクタル的な扱いが可能なことを示した.また,形態的に自己相似性をもち分布するものは,力学的にも自己相似性が成り立つと仮定して,これより割れ目のある岩盤の強度評価式を導いた.nオーダーの割れ目を含む岩盤の見かけ強度は,S_<an>=(1 k_n)S_<jn>+k_nS_<in>と書き表せる.ここで,S_<jn>はnオーダーの割れ目部分の強度,S_<in>はnオーダーのインタクト部分の強度,k_nはnオーダーの割れ目係数である.本文では,S_<in>は入れ子構造的に,より高次のオーダーのS_<an-1>に組み込まれると仮定して,割れ目係数を定義し,この結果,ラダニイの理論を応用して,より高次の割れ目を含む岩盤の見かけ強度は, S_<an・m> =(σ(1 k_u)(V1 tanφ_h)+k_u)/(1(1 k_u)V tanφ_h) ここで,k_u k_n…k_<n・m>として求めることができることを示した.後半では,原位置のブロック剪断試験結果から割れ目係数を求めるとともに,この値を用して算出した岩盤強度とラダニイ理論による強度の関係を検討し,併せて割れ目の階層性と岩盤強度の関係について考察した.
- 2003-04-10
著者
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