オブジェクト間の協調動作を表現する並列計算モデルと言語

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現在,アクタモデルなどいくつかの並列計算モデルが提案されているが,これらは並列計算にかかわる基本的部分だけをモデル化しており,オブジェクト間の協調動作,すなわち「実世界に存在するオブジェクトが各々どのような役割を担い,どのように協調し合っているか」という観点からのモデル化能力が弱い.このため,これらのモデルで並列システムを記述した場合,システム全体の動作を大域的に理解することは容易ではない.本論文では,この問題を解決する方法として,プロデューサモデルとそれに対応するプログラミング言語Produce/1を提案する.プロデューサモデルとは,複数の並列オブジェクト群がプロデューサと呼ばれるオブジェクトのコーディネート下で協調動作するモデルである.アクタモデルでは,各オブジェクトが「協調動作を示すメッセージ通信路の組立て計算」と「実際のメッセージ通信とそれにかかわるオブジェクト内部の処理計算」を同じ枠組みの中で行っているが,プロデューサモデルでは,これら二つの計算を明確に分離し,それぞれをプロデューサと俳優オブジェクトに役割分担させている.そのため,オブジェクト間の協調動作はプロデューサの処理内容を見れば理解できる.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-10-25

オブジェクト間の協調動作を表現する並列計算モデルと言語

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