電子ビーム蒸着Ta_2O_5膜の特性
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概要
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電子ビーム蒸着法で形成したTa_2O_5膜(EB-Ta_2O_5)中には酸素欠損など化学量論組成からのずれが生じ,多数個の電子を捕獲する.そのため比誘電率はバルク値より大きい値を示す.捕獲される固定電荷密度は膜厚が薄い程高く,300nmにおいて10^<16>cm^<-3>オーダに達するが,300nmより厚くなると急激に減少する.比誘電率も膜厚増加と共に減少しバルク値に近づく.また,EB-Ta_2O_5膜は酸素欠損により低抵抗化され,膜厚300nmでの抵抗率はρ=10^7〜10^8Ωcm(5×10^5V/cm)と低く,また印加された電界は約7×10^5V/cmに達するとクランプされ,電流密度のみが増大するクランプ電界点が認められる.300nmより厚くなると抵抗率は膜厚増加と共に大きくなり明確なクランプ電界点が認められなくなる.EB-Ta_2O_5膜を発光層とし,両側に絶縁膜として高抵抗率SiO_2膜を設けた2重絶縁膜構造EL素子で輝度100cd/m^2が得られた.発光スペクトルは380,430,475,540nmにピーク値をもつ.このことから膜中に3.2,2.9,2.6,2.3eVのエネルギー準位が存在することがわかる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-01-25
著者
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