問題の抽象的な表象形成に対する言語化の効果 : ハノイの塔問題のプロトコル解析からの考察
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概要
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本研究では、問題解決過程の言語化が視点や表象の変化に与える効果を考察した。5枚ディスクのハノイの塔を課題とし、課題遂行過程を言葉で説明する「発話付き」条件と、言語化を抑制した「動作のみ」条件を比較する。各条件とも、まず5枚ディスク課題を4回連続試行し、その後、8枚ディスク課題を転移課題とした。 結果は、発話付き条件で、問題構造をより抽象度の高いレベルで表象し直して行く様子が観察された。反面、動作のみ条件では、局所的な無駄は減るものの、手続きが固着する傾向が観察された。プロトコル分析の結果、説明や計画など課題遂行レベルより広い視点からの発話が抽象的な表象獲得に貢献する可能性が示唆された。
- 1999-10-14
著者
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