情報量最大化と生体視覚細胞の受容野(情報論的学習理論論文小特集)
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概要
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「複雑型細胞」と呼ばれる脳の視覚細胞に関して情報論的立場から考察した.複雑型細胞の視覚刺激に対する反応は「エネルギーモデル」と呼ばれる現象論的モデルによってよく記述できることが知られている.エネルギーモデルでは, 複雑型細胞の出力は二つの線形オペレータの出力の2乗和で表される.本論文では「細胞出力から得られる情報量を最大化する」という「情報量最大化」の枠組みによってこれら二つの線形オペレータを決定するという問題を考察した.ただしここでは各線形オペレータの重み係数(受容野)を空間的に局在させるための「局在化項」を評価関数中に仮定した.この情報量最大化問題を低SN比の近似で解いた結果, 位相が互いに90度異なるガボール関数を重み係数とする二つの線形オペレータが解として得られることがわかった.この結果は複雑型細胞に関するエネルギーモデルと一致する.したがってこの結果は, 複雑型細胞は情報論的観点から見て「最適に設計」されていることを示唆するものといえる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-06-25
著者
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