代数曲線の基礎 (代数曲線とその応用論文小特集)
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概要
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代数多様体とは, 大ざっぱにいえば, 多変数多項式の共通零点の集合のことである. 本論文では, 符号・暗号理論への応用を見込んで, 1次元代数多様体, すなわち, 代数曲線の理論の概説を行う. そのために, まず, 代数的閉体上定義されたアフィン代数多様体, 射影代数多様体の定義を与え, イデアルと代数的集合の対応などの代数幾何の基本的な事項の整理を行う. 次に, 代数多様体の間の写像として正則写像, 有理写像の概念を導入する. また, 有限体上定義された代数多様体とは何かを解説する. 以上は代数幾何の一般論であるが, それに基づいて, 代数曲線の理論の解説を行う. 非特異射影代数曲線を扱うことは1変数代数関数体を扱うことと同値であり, そこでは点と座の概念が対応する. 代数多様体を研究するためにその上にどのような有理関数が存在するかを調べるということは常套手段であり, そのための道具として因子の概念があるが, 代数曲線上の因子に対応するベクトル空間の次元を計算する公式として, リーマン・ロッホの定理を紹介する. 最後に, 有限体上の代数曲線の有理点の数の母関数として, 合同ゼータ関数を導入し, その性質について述べる.
- 1999-08-25
著者
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