線形光学素子を用いた量子計算アルゴリズムの実現(<特集>量子情報理論とその応用)
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概要
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量子計算の実現に向けて, キュビット(qubit)間のコントロールドノット(controled-NOT)ゲートを実現するさまざまな提案がされているが, コントロールドノットに必要な非線形相互作用の実現の困難さから, 現状では2キュビット程度の操作にとどまっており, 近い将来に多キュビットによるアルギリズムの実行可能な装置の実現は困難視されている.我々は, 量子計算アルゴリズムを物理系を用いて実験的に調べる方法として, 単一光子と線形光学素子を用いる方法を提案する.この方法は巨大な非線形性を必要としないため, 近い将来実現が可能であり, 量子計算の各種アルゴリズムを実験系に調べることに適している.4-ビット入力のドイチュ-ジョサ(deutsch Jozsa)アルゴリズムに対応する光学系を示し, その動作を説明する.また, その実現に向け, パラメトリック蛍光を用いた単一光子源, 並びに高精度干渉計の開発を行った.それら最近の実験現状, 並びに今後の展開についても述べる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-12-25