有限離散要素でのy=Ax型ブラインド復元問題の局所最適解の分離条件(情報理論)
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概要
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パターンの復元問題において,y=Ax型の逆問題を取り上げる.xの要素が有限離散値に限定されるとき,Aもxも未知の場合のブラインド復元問題に対する局所最適解へ導く分離条件を導出し,それを最適化評価関数に制約条件として取り込んだ.ブラインド復元問題一般に対する従来の解法では,xの統計的独立性と定常性の性質を与えて,復元行列を構成していた.本論文では,統計的従属かつ非定常な場合を扱う.Ta-Hsin Liは,この条件下で,xの各要素が有限個の離散値をとる場合について,解の存在を保証する証明のために最適化関数を与えたが,基本原理の定式化にとどまっていた.本論文では,Ta-Hsin Liの結果から出発し,数乱行列など従来の解法との関連性をもつ形の最適化評価関数を導出する.この最適化評価関数に課される制約条件は,yが与えられて,仮にAが既知として父を求める場合と,逆に,仮にxが既知としてAを求める場合に得られる二つの関係式である.これら未知数一つの場合の導出方法は既におおむね整備されている.すなわち最小2乗型の最適化評価関数を未知変数で微分することにより,一般化逆行列を求めるのが標準的方法である.本論文では,微分を実行せずに変形の唯一性と不等式を利用することにより,一般化逆行列が導出できることを示す.導いた最適化評価関数は,制約条件として,ある解と離散値一つ分離れた別の解との分離条件を含んでいる.この分離条件は,観測ベクトルを含む散乱行列の形で与えることができる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2004-07-01
著者
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