極薄シリコン酸化膜における絶縁破壊とストレスリーク電流の起源
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概要
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高電界下におけるゲート酸化膜の劣化機構、特に絶縁破壊とストレスリーク電流の起源に関して、Q_<bd>とストレスリーク電流の温度依存性に関する実験結果を基礎に議論する。ゲート酸化膜の形成手法(ウエット雰囲気/ドライ雰囲気)に依存せずに、Q_<bd>とストレスリーク電流は、きわめて類似した温度依存性を示すことが明らかになった。高温領域においては、0.1eVという同一の活性化エネルギを有する機構が両者を支配している。活性化エネルギの絶対値(約0.1eV)から、この機構は水素原子の拡散であろうと予想した。低温領域では、温度依存性を有しない機構が両者を支配しており、これは、ゲート酸化膜中の歪んだ弱いSi-O結合が両者を支配していると考えられる。従って、温度に依らずに、共通の機構が絶縁破壊とストレスリーク電流の両者を支配していると予想される。さらに、Q_<bd>のゲート極性依存性は、ゲート酸化膜中の歪みの勾配が起源であると考えると、実験事実を矛盾なく説明できるがわかった。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-05-23
著者
-
安田 直樹
半導体MIRAI-ASET
-
高木 信一
(株)東芝 LSI基盤技術ラボラトリー
-
佐竹 秀喜
(株)東芝先端半導体デバイス研究所
-
安田 直樹
(株)東芝 ULSI研究所
-
島海 明
(株)東芝 ULSI研究所
-
佐竹 秀喜
(株)東芝 研究開発センター Lsi基盤技術ラボラトリー
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