MRIにおける2次元体動のアーチファクトの除去

概要

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通常MRI撮影過程における、撮像断面内の患者の平行移動によるMRIアーチファクト(偽像)を除去する手法について述べる。MRI撮像原理に基づき、体動がMRIデータに与える影響と特性を、信号読み出し方向(X方向)、位相エンコーディング方向(Y方向)のそれぞれについて解析する。これをもとに、X方向とY方向の体動を分離して除去するアルゴリズムを提案する。体動に関して、周期性などの制限は設けない。また、繰り返しによらない方法を用いる。Hedleyらの提案した発見的な繰り返し処理によるX方向Y方向体動の同時探索法と比べ、適用範囲の明確な方法として定式化される。撮像断面内での任意平行移動に対し、X方向の体動除去はY方向の体動の有無に依存しないことを利用する。まず、X方向の体動はX方向の信号のフーリエスペクトルの位置シフトとして現れてくることに着目し、スペクトルのシフト量の補間処理によりX方向の体動量を推定する。その量の逆シフトにより体動の影響を補正する。つぎに、Y方向の体動による位相変動を既発表の方法により除去する。シミュレーション実験によって、本手法の有効性を明らかにする。
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-05-20