マイクロスイッチのCdOフリー : 小形マイクロスイッチにおける接点材質のおよぼす影響について
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概要
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小形マイクロスイッチにおいて、高負荷領域(15A〜21A)で使用する場合、接点の電気的消耗によって、電気的寿命が大きく左右される。従来、この領域で使用される接点材質には、銀酸化カドミウム(AgCdO)が広く使用されて来た。この銀酸化カドミウム(AgCdO)に含まれる酸化カドミウムが製造段階で、粉塵となって作業者の健康を著しく侵す可能性を指摘され、環境規制有害物質として、ヨーロッパでは、2006年1月〜製造規制及び廃棄物規制がかかることから、日本の各企業でも環境規制有害物質として、全廃の動きが進んでいる。規制有害物質の全廃を目指し、様々な代替材質の接点技術が進んでいますが、それぞれの材質には長短があり、環境・品質・寿命・コストなどの条件をすべて満足する材質の選定を進めるため、接点材質の特徴と接点寿命を見極めるための検討を行なった。代替接点材質を銀錫インジウム(AgSnOlnO)系接点・銀ニッケル(AgNiO)系接点・銀酸化亜鉛(AgZnO)系接点を評価し、銀酸化亜鉛(AgZnO)が最も銀酸化カドミウム(AgCdO)の接点に特性が近いことがわかった。銀酸化亜鉛が(AgZnO)の亜鉛(Zn)は、元素番号順でも、カドミウム(Cd)に最も近い元素であり、規制有害物質にはなっていない物質である。銀酸化亜鉛(AgZnO)は、炭化物が開閉時に発生するアークエネルギーによって、昇華するという銀酸化カドミウム(AgCdO)接点の特徴も類似しており、ケース内に蓄積する炭化物の量が少なく、絶縁劣化になり難いため、接点寿命が長くなることがわかった。また銀酸化亜鉛(AgZnO)は、固有抵抗が低いため接触抵抗が低く安定しており、タンシ温度上昇の面でも他の接点材質に比べ上がり難いといえる。以上のことより、銀酸化カドミウム(AgCdO)の代替材選定する際、炭化物の生成・接触抵抗・タンシ温度上昇・接点開閉寿命を十分考慮することが必要である。
- 2003-05-09
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