衛星搭載合成開口降雨レーダ(PSAR) : 観測雨域シフト特性とその応用(リモートセンシング及び一般)
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概要
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GPMコア衛星搭載Kuバンド降雨レーダ仕様をベースに,5mクラスのアンテナサイズを想定し,合成開口降雨レーダ(PSAR : Precipitation SAR)の基本システム設計した結果,衛星進行方向のビーム幅は実開口方式に比べて1/4程度に改善される見通しがあることを示す. PSARでは雨滴の落下による数百mの「見かけ上の」雨域シフトと雨滴落下速度の粒径依存性に起因する空間分解能の劣化が原理的に生じる.この問題をディスドロメータにより定量的に評価する.更にディスドロメータデータを用いて簡単なモデル降雨を作成し, PSARで観測されるべき降雨エコーと位置ずれを生じない地表面エコー降雨減衰量の衛星進行方向プロファイルをシミュレートし,両者の相互相関処理により求めた「雨域シフト」量の特性を調べる.その結果から,降雨セル中心部の平均雨滴落下速度推定など,新たな降雨情報推定の可能性が示唆される.最後にPSARの有用性について,システム開発およびデータ解釈・処理の観点から議論する.
- 2003-05-23
著者
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古津 年章
島根大学総合理工学部
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古津 年章
島根大学総合理工
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北川 淳一
電気通信大学 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター
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北川 淳一
電気通信大学
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藤井 雄二
島根県企業局
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菅 雅也
島根CSK
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