モーションキャプチャ・システムを用いた投球時肩関節負荷の逆動力学解析

概要

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野球投手は, 投球動作の繰り返しにより肩や肘を酷使する.この酷使が原因となり, 投手の肩や肘は, 障害が発生する可能性が高い.ボール・リリース時, 肩関節を安定させるために上腕骨骨頭が肩甲骨関節窩へ強く引き付けられる.しかし, この圧縮力を妨げる前後・上下方向への負荷(剪断力)が過度に加わると, 肩関節は求心性を失う.肩の前後・上下方向に加わる負荷は, 肩関節に障害を誘発する要因となる.そこで, 肩の障害を予防するには, 肩の前後・上下方向に加わる負荷を軽減させる必要があると考えた.本研究の目的は, ボール・リリース時における肩の前後・上下方向に加わる負荷を最小とする上腕の姿勢を推定することである.145名の投球動作をモーションキャプチャ・システム(サンプリング周波数500Hz)を用いて測定し, 肩関節を運動学, 動力学的に解析した.その結果, 肩の前後・上下方向に加わる負荷を最小とする上腕の姿勢は, 水平内転角度5.5°内転角度2.2°であった
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-09-15