両耳受聴のための多点拘束ビームフォーミングアルゴリズム(立体音響・音場制御/聴覚/一般)

概要

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両耳受聴のためのマイクロホンアレー処理は, 人間の両耳聴効果を利用することで, 入力音の増幅量を同じくして雑音感を軽減したり, 定位感を確保するのに有効であると期待される技術である.実際には, 目的方向以外の音を抑制しつつ, 特定の方向に対しては所望の両耳間レベル差および時間差を実現する信号処理が求められる.これを実現するために, 多点拘束条件付アルゴリズムや重み付き最小二乗法に基づくアルゴリズムをこれまでに提案してきた.本稿では, これらの手法のアルゴリズム導出について概観し, 指向特性や両耳間レベル差および両耳間時間差の観点から, それらの性能を比較評価した.その結果, 重み付き最小二乗法を用いることで, 目的方向およびその周辺方向に対しては, 概ね適切な両耳間レベル差および両耳間時間差を実現しつつ, その他の方向に対する増幅を抑えて, 雑音低減が実現できることが確認された.また, 自由変数を増やして所望の特性を実現する方法として, 最適フィルタを算出する際に用いる行列の構成方法を工夫する手法を提案した.その効果を計算機シミュレーションにより評価し, 効果が確認された.
2005-08-12