カマイルカ(Lagenorhynchus obliquidens)の超音波受波特性(第1報) : 受波感度分布計測結果
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概要
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イルカの超音波受波特性を推定するにあたり, カマイルカの頭部を用い, 右下顎骨基部の耳骨の近くに挿入したハイドロホンを音源として, PVDFセンサーにより頭部表面上の音圧分布の計測を行った。頭部内の音波伝搬特性に相反定理が成り立つと仮定すると, 受波感度の高い領域は両耳の近くのみでなく, 二腹筋が下顎骨に付着している部分にも存在していることが明かとなった。さらに, 二腹筋, 顎舌骨筋を切除することにより, 左下顎中央部の高感度領域の音圧が低下した。この結果より, 二腹筋, 顎舌骨筋, 胸骨舌骨筋を介して, 左下顎中央部の高感度領域と右耳骨が音響的に接続されていると推定される。従来, 受波に寄与していると言われている下顎骨の他に, これらの筋肉による音波伝搬経路が存在し, 一種の複数入力単一出力システムが構成され, 左右2系統のこの種の受波システムを用いて鋭い受波指向性を得ていると考えられる。
- 1998-11-06
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