スペクトル拡散を用いたコードレス電話(<特集>スペクトル拡散無線通信技術論文特集)
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概要
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米国のISM(Industrial, Scientific and Medical)帯においては,スペクトル拡散通信方式の利用が解放されており,さまざまな応用が考えられている.我々はその応用例の一つとして一般家庭向けにスペクトル拡散方式を用いたコードレス電話を開発した.本論文では,その設計概要と特性について述べている.902〜928MHzのISM帯において拡散比16の直接拡散方式を用いている.移動通信特有の遠近問題を解決するため,チャネルごとに異なる周波数を割り当てるFDMA-TDD方式を採用した.拡散および送受信多重の処理は1チップのASICで実現し,小型・低消費電力化を図った.音声コーデックはADPCMを用い,従来のアナログコードレス電話に比べて同等あるいはそれ以上の品質を確保した.従来の46/49MHzを用いるコードレス電話に比べて送信電力を増加することにより広い通話可能エリアを確保することができた.また,ISM帯を用いるという特殊性から,他からの干渉妨害に対して通話中チャネル切換えを行い回避できる方式を採用した.
- 1994-11-25