静止衛星による航空機測距・測位実験 : 飛行経路と軌道要素の影響
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概要
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洋上航空交通管制に応用可能な,多数の航空機の位置を地上で知るための静止衛星を用いた測距・測位システムを開発し,実際の航空機を用いて評価実験を行った.実験システムは静止衛星,地上局,航空機および擬似衛星(地上局内に設置したもので静止衛星を模擬する)から構成される.使用した衛星はETS-Vである.2個の静止衛星を用いる測位方式では,赤道付近において測位誤差が大きくなることが知られている.このことを実験的に確認すると共に,地上局の位置を基準とする相対測位を用いると,この誤差の増加を抑制できることを実験的に示した.古い軌道要素を用いると静止衛星の予測位置の誤差が大きくなり,得られる航空機の測位誤差も大きくなる.このことを,実験的に確認した.更に,相対測位では軌道要素が古くても測位誤差がそれほど大きくならず,軌道要素の新しさの影響を小さくできることを示した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-09-25