ゼロクロス合成開口法を用いた埋設管位置推定法
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概要
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パルスレーダ法を用いた地下埋設物探知技術において,合成開口法を用いた電磁波の地中伝搬速度および埋設管位置の推定法が研究されている. 一般に電磁波は地中伝搬に伴い減衰するので受信信号の振幅値が極めて小さくなる場合が多い.このため,振幅値を利用した信号処理では,深度が異なる複数の埋設物を同一の判定基準で認識することは困難であるという問題点があった.そこで,この問題点を解決するため新たにゼロクロス合成開口法を開発した.地中断面観測パターンにおいて,埋設管からの反射波は電磁波の地中伝搬速度に依存した双曲線パターンとなる.この双曲線パターンのエッジのみを評価することにより電磁波の地中伝搬速度および埋設管位置を推定する.まずエッジを抽出するため,観測信号の振幅値が「0」となる時間の振幅値を,その時間位置においてもとの波形の振幅の位相がマイナスからプラスに変化する場合は「1」,プラスからマイナスへと変化する場合は「-1」に置き換え,その他の時間位置の振幅値を「0」に置き換える.その後,合成開口処理(加算処理)を行う.振幅値の絶対値は1あるいは0であるため,加算処理後に行う埋設管位置の推定時の判定基準に電磁波の伝搬に伴う振幅値の減衰の影響を考慮する必要がなく,埋設管位置を精度良く探知することができる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-07-25
著者
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