有限要素法による超長波電波の地球・電離層導波管内伝搬の解析

概要

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超長波電波の地球・電離層導波管でのモード解を有限要素法を用いて解くことを提案し,導波管モード理論のモード解と比較してその精度と有効性を確認した.VLF帯(f=5,10,20kHz)において,下部電離層電子密度分布として指数分布および更に急しゅんな分布を仮定し,導波管の固有伝搬定数と固有電磁界を有限要素法にて求め,フルウェーブ法に基づいた導波管理論の結果との比較により次の点が明らかになった.主要伝搬モードの伝搬定数は電離層での要素分割の大きさとして電離媒質の高さに対するこう配に依存するが5〜2 km位にすれば実用上十分の精度で得られる.電磁界の分布についても電離層での要素の大きさについて5〜2.5kmにすれば十分であることがわかった.また,従来の導波管理論では解を得がたい問題に適用し,有効であることがわかった.従来,このモード方程式は,個々のモードごとに解かれてきた.しかし有限要素法はすべてのモード解と固有電磁界が安定して同時に求めることができ,固有値と電磁界分布を必要とする地球・電離層導波管の不連続問題,あるいは散乱問題への適用が考えられる.これからの興味ある課題である.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-04-25