電波望遠鏡搭載フェーズドアレーシステムの利得・位相校正計測
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概要
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電波天文用UHF帯非対称シリンドリカルパラボラアンテナに搭載されたフェーズドアレーシステムを校正するため,以下の2方式を採用し比較検討した.第一に,フェーズドアレー各素子を結ぶループ状伝送線路を利用して信号増幅回路を含む各信号経路の位相と利得を相対的に導出する方法(ループ法)を用いた.このループ法の位相測定において生じる180°の不確定性に対して,各素子を結ぶ線路に長さが既知のものを用いるだけの解消方法を提案する.ループ法では,フェーズドアレー各素子の利得および位相がそれぞれ標準偏差0.1dB,3.2°で校正された.ループ法は各素子の相対利得および相対位相を導出する便利な方法であるが,測定対象が前置増幅部以降の信号増幅系であり,各素子アンテナの特性や反射面等の構造は測定値に反映されない.そこで,第二の方法として素子電界ベクトル回転法[2]を応用することにより,前置増幅部以前をも対象とした測定を行い,ループ法との比較を行った.利得および位相への前置増幅部以前の影響は主に主反射鏡に起因するが,電波天体を用いて本フェーズドアレーの放射指向性を測定した結果,この影響は設計時に見積もられた効率低下程度であることが明らかとなり,本フェーズドアレーシステムの校正に対するループ法の有効性が確認された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-12-25
著者
-
丸山 一夫
名大太陽地球環境研
-
石田 善雄
名大太陽地球環境研
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浅井 紀久夫
文部省放送教育開発センター
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小島 正宜
名古屋大学太陽地球環境研究所
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石田 善雄
名古屋大学太陽地球環境研究所
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丸山 一夫
名古屋大学太陽地球環境研究所
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吉見 直彦
名古屋大学太陽地球環境研究所
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三澤 浩昭
東北大学理学部附属超高層物理学研究施設
-
宮里 和秀
日本無線株式会社
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吉見 直彦
名大太陽地球環境研
-
富里 和秀
日本無線株式会社
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三澤 浩昭
東北大学大学院理学研究科
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