ギガビット海底光中継伝送方式 (FS-1.8G) の設計と特性
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概要
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海底光中継伝送方式の大容量化,中継間隔の拡大による経済化を目指して,波長1.5μm帯の技術を適用したギガビットの海底方式(FS-1.8G)を開発した.本方式の伝送速度は,従来のFS-400M方式の約4倍にあたる1.8Gbit / sであり,世界最初のGbit / s速度の海底光中継伝送方式である.伝送路インタフェースとしては世界標準となったSDH (Synchronous Digital Hierarchy)を初めて海底に適用し,155.52Mbit / sのSTM-1を12本バイト多重して1.87Gbit / sを得ている.伝送符号としては,従来のFS-400M方式と異なり,ギガビット伝送に適したスクランブルドNRZ符号を採用し,Gbit / s速度の伝送を可能としている.また長中継間隔化のために,高速変調時も動的に単-モードで発振する高信頼度,高出力なDFB(分布帰還形)レーザと零分散を1.55μmにシフトした光ファイバの組合せにより,光波形劣化を抑え安定に100kmの中継間隔を実現している.本FS-1.8G方式は最初の導入から3か年以上経過し,現在5区間において無故障で安定に運用実績を挙げている.本論文ではこのFS-1.8G方式の中継間隔,信頼度等の方式設計,海底光中継器,海底光ケーブル等の構成技術と方式パラメータの設定根拠を述べ,最後に,福岡〜浜田に敷設された実海底伝送路の伝送特性から設計の妥当性を実証している.
- 1994-05-25