ファイバの非線形屈折率による光増幅中継系の雑音増大と信号対雑音比劣化
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概要
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光ファイバの非線形屈折率のために生じる光雑音の増大は,光増幅中継系の伝送性能を制限する主な要因の一つである.本論文では,その雑音増大特性を表す一般式を分散の効果も含めた形で新たに与える.更に,その結果を系の信号対雑音比の導出に適用し,雑音の観点から伝送距離を見積もることを可能にする.同相および直交雑音成分の発展を表す式は,増幅器と光ファイバからなる中継系1区間における雑音の伝送特性を表す行列を用いて,簡単な形式で与えられる.これにより,正常分散領域において増幅器段数の3乗に比例する雑音増大,異常分散領域において指数関数的に増大する雑音ピークの存在を確認し,高次分散の効果,近似特性も含め,雑音特性について詳細に言及する.更に,非線形性に起因する信号対雑音比劣化の増幅器段数や分散への依存性,雑音で制限される伝送距離の分散依存性を明らかにする.雑音の観点からすれば,正常分散領域で最も大きな伝送距離が期待でき,この結果を既に得られている信号波形の解析結果と併せて議論する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-01-25
著者
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