フタロシアニン顔料を用いた単層型有機感光体における電荷キャリアの挙動
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概要
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フタロシアニン化合物は、優れた光導電性を有するため電子写真感光体、太陽電池、有機イメージセンサなどの電荷発生材料として応用されている。我々は、このフタロシアニン化合物をバインダ樹脂中に分散させた単層型感光体のキャリア輸送機構の解明を目的として研究をはじめた。この感光体の特徴は、一定光量以上の光照射に応答するという特異的な応答性を示すことにある。この要因の一つとして、感光体内に依存するトラップ準位が深く関与していると考えられているが、その機構は明かではない。そこで、電子写真プロセスを模擬した刺激を感光体に与え、各状態でのトラップされたキャリアの量や極性について、外部光電子放出、熱刺激電流、電気抵抗の各測定法を用いて検討した。
- 1995-03-27