アメーバ運動を自己形成する多数発振器系(3)

概要

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アメーバは好ましくないものはそれを避けて遠ざかろうとし、食べ物等好ましいものはそれを包みこもうとするように、細胞一個でも環境変化を判断し、それに対応した行動をする。最近、細胞内に多数存在するミトコンドリアが (ATP-H^+)-cAMP-Ca^<2+>の帰還ループによる発振器を形成し、それらが注入同期により相互作用し、それから生ずる連成波に従って自分 (原形質) を移動させているらしいことが明らかになってきた。今まで、我々はn×n個の発振器 (ミトコンドリア) の2次元連成系の振る舞いを計算機シミュレーションすることにより、それらの位相勾配系が、アメーバ様細胞の環境変化に対する判断・応答の自己組織系になり得ることを、エサや天敵がある場合、エサが動く場合について報告してきた。これまでの"アメーバ"はエサの場合、単に自身のミトコンドリア発振器群を集合させるだけであったが、本報告は"アメーバ"がエサを取り込む様子をより現実のアメーバに近似するため、発振器の境界条件を改良し、シミュレーションしたものである。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06