量子情報理論の基礎数理
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概要
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量子惰報理論とは, 信号を量子力学に従うものとして情報理論を再構築しようとするもので, いわば, 量子力学と情報理論を統合したものである. 情報理論の基本は情報の伝達にあり, その目的はいかに多くの情報を誤りなく伝送できるかにある. 従来のシャノンの情報理論は, その前提とする物理学が古典物理学であっただめ, 信号や情報媒体が量子力学に従うような場合は, 新しい理論が必要となる. これが量子情報理論であるが, その目的はいかに多くの情報を誤りなく伝送できるかにあり, 従来の情報理論と何ら変わりがない. 更に, システムの評価を誤り率, 情報量などによって行うところも同じである. では, 一体, 従来の情報理論と量子情報理論とでは何が違うのであろうか. 最初に, 量子情報理論とは信号を量子力学に従うものとして考えるということを述べたが, 両者はその前提とする物理学が異なり, その結果, 誤り率, 情報量などの評価基準は, その慨念は同一であるが, その中味, すなわち数理構造が全く異なってくる. 本稿では, 量子情報理論と従来の情報理論の数理構造の決定的な違いは, 量子確率と古典確率の違いにあることを述べ, その数理の違いについて解説する. そして, 量子情報理論が従来の情報理論では予測しえなかった優れた特性を予言しうることを紹介する.
- 1997-03-06
著者
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