SPICEでは解析できない時変回路のシミュレーション
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概要
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集積回路が実用化され初めた1960年代後半から1970年代前半にかけて, 電子回路の定式化法, 電子回路の特徴に合った非線形常微分方程式の数値解法, 行列処理法など回路解析の基本となる種々の手法が確立された. この頃, 集積化回路設計への実用化を目的として, 各種アルゴリズムの比較検討, 非線形素子モデルの有効性の検討, ソフトウエアデータ構造などの研究を経て得られた成果がSPICEである. SPICEは世界中に広まり, 修正や機能が加えられ, 現在でも幅広く利用されている. SPICEで解析できる主な機能は, DC解析, AC解析, 過渡解析, フーリエ解析, 雑音解析, 感度解析などである。しかしながら, これらの手法で解析できない回路もある. たとえば, AC解析, 雑音解析は直流動作点において線形化した回路網に対して解析するものであり, 大励振により動作点が変化する非線形回路(時変回路)には役に立たない. また, 大小比の大きい時定数を含む回路や高Q回路, あるいは複数の周波数が加わる回路では, 過渡解析を使って定常応答を得るには計算量が多くなり過ぎる. また, 予め周期がわからない発振器の発振波形を正確に求めるのも難しい問題である. 本論文では, このような問題を解決するために開発されたいくつかの手法について述べる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-03-06
著者
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