差動減算カレントミラー回路を用いて実現される超低電圧動作可能なバイポーラ・マルチプライヤ
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概要
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アナログ信号処理において、マルチプライヤは必須のファンクション・ブロックとして広く利用されている。バイポーラ・マルチプライヤとしては二重平衡型乗算器、いわゆるギルバート・セルがこの四半世紀にわたり用いられてきているが、最近ではプロセスの微細化と携帯機器の著しい普及に伴い回路の低電圧化の要求が非常に高まっている。筆者はこの要求に答えて各種の回路技術を提案し、数多くの低電圧化回路を実現してきているが、本稿では、高周波特性の劣化を抑えた新たな超低電圧V-I変換回路を提案し、その応用例として1V動作可能な超低電圧ギルバート・セルを提案する。ギルバート・セルは、交叉接続エミッタ結合対とそれを電流駆動するV-I変換回路から構成される。定電流駆動される差動対(エミッタ結合対)は1Vの超低電圧動作が可能である。したがって、ギルバート・セルを超低電圧動作可能にするためには、交叉接続エミッタ結合対とV-I変換回路を並列接続する必要がある。これまでの低電圧化回路(cascaded Gilbert cell)および、超低電圧化回路(folded Gilbert cell)は、V-I変換回路をpnpトランジスタからなるエミッタ結合対で構成し、pnpトランジスタに信号を通しているために、高周波特性が犠牲になっていた。また、ギルバート・ゲイン・セルを理想化したV-I変換回路があるが、2回路の共通負荷を定電流源とすることで、一方の回路電流の変化を他方の回路に伝達することができる。このやり方で次に述べる超低電圧V-I変換回路が得られる。
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-03-27
著者
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