ミリ波帯多層化MMICとその応用

概要

論文の詳細を見る
MMICはマイクロ波回路を小型・経済化する技術として数多くの報告がなされているが、より小型・高集積化および高性能化を可能とする技術として、多層化構造や3次元MMIC構造技術が提案されている。ATRにおいては、従来よりマイクロ波帯で使用するMMICの超小型化・高性能化を目的として、GaAs基板表面上に金属・誘電体薄膜を積層し、伝送線路として機能させる多層化MMICの検討を行なってきており、新しい回路構成の実現や設計性の向上が図れることを示してきた。一方、近年ミリ波帯を利用した通信システムの研究が盛んに行なわれている。このようなミリ波応用システムに用いられる送受信回路の小型・高性能化のためには、各ミリ波回路のMMIC化は必須である。このような背景から、我々は、多層化MMIC技術をミリ波帯に適用し、その研究開発を進めている。そこで本報告では、多層化MMIC技術およびそれをミリ波帯に適用した回路について述べる。また、超小型化技術の1つとして、多層化MMICの特徴を活かしてMMICを積み重ねるスタックIC構造についても述べる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11