デオービットによる静止衛星の残燃料管理方法の検証
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概要
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軌道上の静止衛星には、摂動による外乱を除去しミッション寿命を満足すべく推進燃料が搭載されており、その燃料が枯渇した時点にて軌道上寿命を修了する。最近では、静止軌道の限られた有用性・特殊性環境を保護するために、燃料が枯渇する前に衛星の高度をさらに上昇(デオービット)させ、静止軌道環境をクリーンにする傾向にある。通常の場合、高価な衛星を出来る限り長期に運用させてよりコストパフォーマンスを上げたいという要求から、ミッション修了後もさらなる運用が行われた後、デオービットを実施する。しかし、残推進燃料が正確に把握出来ないために、デオービットに必要な燃料は簡単に見積もられるが、運用終了時期を確定することが非常に困難である。従って、静止衛星打ち上げ時より各積残燃料管理方法にて燃料管理を行っており、最終的に残燃料を枯渇させるでデオービットによって各積燃料管理方法の精度検証を試みている。我々は、過去に静止衛星7個についてデオービットを実施し、残燃料管理方法の評価を実施してきた。もし、残推進燃料が常に正確に把握出来れば、運用終了時期を明確に把握すること、及びデオービット高度を目標通り達成すること等が可能になる。本稿では、我々が実施している残推進燃料管理方法を簡単に紹介し、デオービットによるその検証結果について議論を行い、最後にこの検証結果より判明した問題点等を今後の衛星設計へ提言する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-03-27