時系列情報が扱える海馬を含む記憶モデル
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概要
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海馬は作業記憶を保持する部位と考えられている.この作業記憶を用いて,海馬は異なる事象の関連づけを行うという意味でエピソード記憶を形成し,また,短期記憶の長期記憶への橋渡しを行うと言われている.我々はエピソード記憶を次の2種類に分類できると考える.(1)時間的要素を含まない事象の関連付け,(2)時間的要素を含む事象の関連付け(時系列パターンの記憶).本研究では,時間的な要素も取り入れたエピソード的な記憶の形成と,短期記憶から長期記憶への記憶の移行が説明可能な,海馬系を考慮に入れた記憶モデルを提案する.本モデルでは,海馬内で連想記憶の機能を有すると考えられているCA3に入力履歴を考慮した学習則を取り入れ,時系列パターンの連想記憶を可能にしている.更に,本モデルが所期の機能を有することを数値実験を用いて確認した.
- 1997-03-17
著者
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伊藤 真
沖縄科学技術研究基盤整備機構
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伊藤 真
群馬大学医学部行動分析学教室crest
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伊藤 真
東北大学 工学部 応用物理学科
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黒岩 丈介
東北大学 工学部 通信工学科
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三宅 章吾
東北大学 工学部 応用物理学科
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