電波観測により物理学の基礎法則を宇宙にみる : やはり本当だったクェーサーの"超光速現象"(<小特集>見えないものを"みる"-6)
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概要
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半世紀以上も前に誕生した電波天文学であるが,通信技術の著しい発展の恩恵を受けて現在なお新しいフィールドを切り開いている.それは字宙を観測して物理学の基本法則を検証しようというフィールドである.この解説では電波領域の波長で字宙を観測して何が見えるか,何が見つかったか,という話ではなく,電波観測により物理学の基本法則が検証されてきた歴史のひとこまを,"超光速現象"を例に取り上げて見てみよう.それは,電磁波の物理的性質を十分に利用しつくしてなされた極限実験ともいえるものである.その工夫のしどころも紹介したい.予算規模は大きくないが,基本精神は「根本間題に正面から取り組む」である.得られる成果はまことに大きい.ちなみに1993年度のノーベル物理学賞は,「連星パルサーを観測して一般相対論の検証」を行い,重力波の存在の間接的検証を行ったハルスとテイラーが受賞した.
- 1994-07-25
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