心室筋興奮伝導の3次数理モデル
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概要
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不整脈等の心臓異常電気活動は,その機序の解明が急務とされている.この問題解決の一手法として,心室筋の興奮伝導現象を電気生理学的に表現できる新しい3次元数理モデルを構築することが本研究の目的である.はじめに,心室筋細胞同士の空間的構造をモデル化することにより,心室筋細胞の膜電位,細胞内電位および細胞外電位を変数にもつ3次元偏微分方程式(FUモデル(FUWA-UCHIYAMA MODEL))を構築した.イオン電流の記述にはHodgkin-Huxley型微分方程式を利用し,膜容量は興奮伝導方向に依存して変化するように動的に設定した.また,数値計算領域外にも心室筋が連続している状態を表現するために,各電位の境界条件は動的に与えられた.コンピュータシミュレーションは,FUモデルの各種パラメータに生理学的に妥当な値を設定して行われ,パルス電流刺激に対する膜応答から,異方向性をもった活動電位の興奮伝導現象が再現された.この結果は,3次元的興奮伝導および異方向性について電気生理学実験と同様な特性を示し,FUモデルの生理学的妥当性が示された.FUモデルを使用することにより,心臓電気活動の電気生理学的3次元シミュレーションが可能となり,各種の応用が期待される.
- 1993-01-25
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