交差モデルを利用した複雑に線が交差した図面の認識

概要

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図面を認識するための技術において,多数の類似した線が狭い範囲で複雑に交差していても,それらの線を正しく分離・認識することのできる手法を提案する.従来,図面上の線の認識を行う場合,認識対象となる線の直進性などの性質に基づいた追跡型の手法を用いるのが一般的であった.また,他の図形との接触・交差がある場合には,大局的な制約条件に基づき試行錯誤的に仮説の生成と検証を続けて線を認識する手法なども研究されている.しかし,上記の手法では多数の線が複雑に交差している部分において,その交差部分における線の接続関係を正しく認識することは困難である.本論文では,線の交差部分の幾何学的パターンをいくつかの制約条件のもとでモデル化することにより,線の交差部分とその交差部分に出入りする線との境界点の情報だけから考えられる交差パターンの種類が,非常に少ない数に抑えられることを示す.また,上記の交差モデルの性質を利用した図面上の線の認識手法を提案し,評価用の交差線図に対して認識評価を行った結果,その有用性を確認したので報告する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-11-25