テンプレートマッチングの高速化戦略とGAによる最適化

概要

論文の詳細を見る
多様な画像処理システムにテンプレートマッチング技術が適用されるようになり, 照明変動に頑強な正規化相関係数に基づくテンプレートマッチング手法の適用要求も強まっている.しかし, 実際の応用分野に正規化相関係数を用いた手法を適用するためには, 正規化相関係数を高速に求める必要がある.そこで, 本論文では, 取り扱う画像を縮小することにより高速化を図る.しかし, 安定にテンプレートマッチングを行うためには, 画像を縮小した際に縮小された画像中に特徴が維持されている必要がある.そのため, テンプレート画像とサーチ対象画像のそれぞれの性質を考慮し, 適切な縮小率を推定する必要が出てくる.また, 効果的に縮小率を設定するためには, 画像に前処理を行い特徴を強調することも必要となる.本論文では, 個々の画像によって異なる縮小率と前処理との組合せを遺伝的アルゴリズムを用いて最適化した.評価では, 実際のシステムに本手法を適応し, 実用的な処理速度と安定性についての有効性を確認した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-06-25