フラクタル・ポアソン過程
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概要
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パケット通信ネットワークにおいては,例えば,一定問隔というある規則性をもって1端末から出発したパケットの一群は,ノードを経由するごとに,数多くある他端末から発生した大量のパケットの影響を受け,その到着問隔に揺らぎが蓄積され,時間的に一様な到着率をもつポアソン過程に変貌する。更に揺らぎが増大すると,バーストと呼ばれる到着率の大きな時問帯を生じさせることになる。この現象を表現できる到着過程として典型的なものに断続ポアソン過程がある。これは,ポアソン過程のなかに到着が全く起きないoff期間というすきまが出現することで,その到着問隔の揺らぎがより大きくなるというものである。到着が起きるon期間とそれが起きないoff期間が交互に出現する。もっと揺らぎが大きくなると,この断続ポアソン過程のon期間中に,新たなoff期問を埋め込んでできる,より複雑な第2期断続ポアソン過程が現れる。更に進むと,この第2期断続ポアソン過程のon期間中に,新たなoff期問を埋め込んで生成される第3期断続ポアソン過程が現れる。このようにon期問中にoff期問を再帰的に埋め込んでいき,その極限をとると,on-off構造に自己相似性が現れる。到着過程がフラクタル・ポアソン過程となり, その間隔分布のすそ野は重い。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-05-01
著者
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