超音波輻射圧を用いた血液成分連続分離の試み : 超音波による赤血球の濃縮とその損傷の検討
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概要
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血液中に分散した赤血球を非接触かつ連続的に濃縮分離することができれば医療診断装置において、不純物の混入や院内感染の危険が無く、かつ連続試料測定が可能な完全自動型の医療診断装置が実現できる。本報告では、超音波輻射圧による血液細胞濃縮技術の原理検討として、赤血球の濃縮と、その濃縮後の損傷を定量的に測定した結果について報告する。流路幅1.5mmの容器中に500kHz、12.8mJ/m^3の超音波定在波を起こすと、赤血球は定在波の音圧の節を中心に半値幅138μmの範囲に2分間で濃縮された。また、キャビテーションが発生しない状態では、15分間、超音波を照射しつづけても赤血球中からのカリウムイオン、ヘモグロビン、LDHの顕著な遊離は見られず、赤血球の損傷はないと考えられた。このことから、超音波轄射圧による濃縮手段を赤血球濃縮、血液成分分離の目的に利用できる可能性が示唆された。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-12-16
著者
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