複素ニューラルネットワークにおける一意性定理とパラメータの冗長性(情報論的学習理論論文小特集)
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概要
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複素ニューラルネットワークは,通常のニューラルネットワークの重みやしきい値といった(実数値)パラメータを複素数に拡張したものであり,通信方式等の複素数を扱う分野での応用が期待されている.本論文では,ある複素関数が与えられたとき,それを近似する3層複素ニューラルネットワークは,もしそれが既約ならばある有限群によって一意に定まることを明らかにする(一意性定理).その有限群は複素ニューラルネットワークのパラメータの冗長性を規定するが,実ニューラルネットワークのものとは異なった構造をもつ.更に,その有限群の位数を調べることを通じて,複素ニューラルネットワークのパラメータの冗長度は実ニューラルネットワークの指数倍であることを示す.冗長性を明らかにしておくことは,ローカルミニマムといった複素ニューラルネットワークの基本的な特性を理論的に調べるために重要である.また,与えられた3層複素ニューラルネットワークが最小であるための十分条件を導出する.以上の結果の証明は基本的にはSussmannが実ニューラルネットワークに対して用いた方法を複素数に拡張することによって行う.
- 2002-05-01
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