木連合グラフを利用した3次元木構造のマッチング法

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木構造のマッチングは,「木連合グラフ(tree association graph)」において最大クリーク(maximumclique)を探索する問題と等価である.最近,木ノードの属性の類似度に基づいて連合グラフを重み付けして,最大重みクリークを探索する方法がPelliloらにより提案されている.ここで得られる最大重みクリークは最大類似度部分木同形(maximum similarity subtree isomorphism)に相当する.本論文は,3次元医用画像における木構造の非剛体レジストレーションを行うための一般性のある手法として,「木連合グラフを用いた木構造マッチング手法」を提案する.気管支や血管など,3次元医用画像の木構造のマッチングは,体位の変化に伴う変位や,呼吸運動のような生理学的な変形に対応できるものでなければならない.また,画像処理過程で生ずる偽枝などのトポロジーエラーを認識する必要がある.本研究では,木ノードの属性として,当該ノードの親子兄弟の位置関係に着目し,親子兄弟で張られる四面体の体積変化率を用いて類似度を構成した.提案した類似度は変位変形の一般的な性質に着目したものであり,体内のいかなる変位変形にも適用し得る一般性の高いものである.また,トポロジーエラーによるミスマッチを回避する方法として,隣接エッジの重みを類似度により変更することを追加した.提案手法を,計算機内に生成された気管支モデルに適用し,高度の変位変形によらず高率の正解率を示すことを確認した.また,トポロジーエラーによるミスマッチも極めて低率であることを検証した.
2002-06-01

木連合グラフを利用した3次元木構造のマッチング法

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